ウクライナ情勢の緊迫化などを背景に、政府から売り渡される輸入小麦の価格が大幅に引き上げられたことを受けて、大手製粉メーカーのニップンと昭和産業は、業務用の小麦粉をことし6月から値上げすることを決めました。
発表によりますと、いずれも25キロ当たりの価格で、パンなどに使われる強力粉は両社とも370円、うどんや菓子に使われる中力粉や薄力粉はニップンが320円、昭和産業が325円、それぞれ引き上げられます。
値上げはことし6月20日の納品分からで、引き上げ幅は両社とも強力粉は過去2番目、中力粉と薄力粉は過去3番目の大きさになります。
国内で消費される小麦の多くは海外産で政府が一括して輸入していますが、主な産地である北米での不作に加えて、ウクライナ情勢の緊迫化による供給不足への懸念などから小麦の国際価格が一段と上昇し、政府から製粉会社などへ売り渡される輸入小麦の価格も今月から17%余り引き上げられています。
今回の値上げは政府の売り渡し価格の引き上げにともなうもので、製粉大手ではすでに日清製粉が値上げを決めています。
大手3社は去年12月にも値上げを行っていて、こうした動きは今後、小麦粉を使ったパンやうどんなどの価格にさらなる影響を及ぼすことが予想されます。
-- NHK NEWS WEB