日本の航空分野の脱炭素化に向けて、大手商社の三菱商事と石油元売り最大手のENEOSが提携します。
両社は、二酸化炭素の排出が少ない航空機の代替燃料の製造や、国内販売の事業化に向けて検討することになりました。
発表によりますと、三菱商事とENEOSは「SAF」と呼ばれる航空機の代替燃料の製造・販売などの事業化に向けて、提携することで合意しました。
SAFは植物や廃油などから作ったバイオ燃料で、従来の燃料と比べ、二酸化炭素の排出量を80%程度減らせるとされていて、通常のジェット燃料と混ぜて使われます。
両社では、脱炭素社会の実現に向け、国内での需要の拡大が見込まれるとして、SAFの原料となる植物や廃油の確保や、燃料を量産する製造拠点の整備、それに、国内向けの販売網の構築などの事業化を早期に進めたい考えで、今後、詳しい内容を検討することにしています。
SAFをめぐっては、国内の航空会社やプラント建設会社など16社が、国産化に向けて先月新たな団体を立ち上げたほか、大手商社の伊藤忠商事が、フィンランドの企業から輸入し、この春にも羽田と成田を発着する航空会社向けに供給を始めることにしていて、世界的に需要が高まる中、国内での供給体制を整える動きが加速しています。
-- NHK NEWS WEB