静岡県熱海市で起きた土石流の崩落の起点にあった盛り土。その造成場所に残されている大量の土砂について、市が先月、盛り土を造成した不動産会社側に対し、撤去などを求める行政指導を行いましたが、市が設定した期限内に、工事の計画書が提出されていないことがわかりました。
不動産会社の元代表はNHKの取材に対し「時間が足りず、期限を延長してほしいと市に依頼した。土地の権利は今の所有者に移っていて、私が対応するべき指導なのかも含めて、弁護士と相談して判断したい」と話しています。
去年7月に熱海市で起きた土石流の崩落の起点にあった盛り土をめぐっては、造成場所にいまも県の推計で2万1000立方メートル分の土砂が残っているとみられています。
県の調査で、この一部が安定性がないと評価されたことを受けて、熱海市は先月31日、造成した神奈川県小田原市の不動産会社の元代表に対し、土砂の撤去などを求める行政指導を行いました。
NHKが入手した行政指導の文書によりますと、市は不動産会社側に今月15日までに工事の計画書を提出するよう求めていましたが、期限内に提出されていないことがわかりました。
不動産会社の元代表はNHKの取材に対し「回答までの時間が半月しかなく、時間が足りなかったため、弁護士を通じて期限を延長してほしいと市に依頼した。土地の権利は今の所有者に移っていて、私が対応するべき指導なのかも含めて、弁護士と相談して判断したい」と話しています。
一方、熱海市は、会社側が行政指導に応じない場合には、計画を提出するよう措置命令を出すことや、行政代執行を行うことを検討していて、市の担当者は「今後、会社側には適切に対応していく」と話しています。
-- NHK NEWS WEB