厳しい経済制裁を科されているロシアからのタンカーを使った原油の輸出量は、今月に入って軍事侵攻前の去年を上回っていることが、民間の調査会社の分析でわかりました。インドや中国のほか、ヨーロッパでも受け入れが増えている国があり、現時点で制裁の影響は限定的との指摘が出ています。
ウクライナへの軍事侵攻を受けて、アメリカは先月、ロシアからの原油の禁輸を打ち出し、イギリスやカナダなども調達を取りやめる方針を示しています。
この影響について、世界の石油タンカーの運航の情報をもとに流通の状況を調査している、ベルギーの民間企業「KPLER」が分析した結果が明らかになりました。
それによりますと、ロシアから輸出され、タンカーで各国に到着する一日当たりの原油の量は、侵攻直後の落ち込みから回復し、今月は26日の時点で去年の平均をおよそ7%上回っています。
国別にみますと大幅に減っているのは
▽アメリカがマイナス83%
▽フィンランドがマイナス81%
▽ドイツがマイナス79%
▽イギリスがマイナス70%などとなっています。
一方で
▽インドが8.4倍
▽トルコが2.4倍と大きく増えたほか
▽中国も13%増加しています。
さらに
▽イタリアが2.1倍など
ヨーロッパでも受け入れが増えている国があります。
-- NHK NEWS WEB