静岡県の「静岡銀行」と愛知県の「名古屋銀行」は、幅広い分野で業務提携することで合意したと発表しました。
新型コロナウイルスの影響や長引く低金利によって地銀の経営環境は厳しさを増していて、収益力の強化やコスト削減を図るねらいがあります。
これは、静岡銀行の柴田久頭取と名古屋銀行の藤原一朗頭取が27日午後、東京都内で会見を開いて明らかにしたものです。
それによりますと、両行は互いの独立経営やブランドを維持しながら幅広い分野で業務提携し、収益の拡大に向けて互いの顧客ニーズのマッチングを進めることや、システムやオフィス業務を共同化することなどを検討するということです。
また、今後互いの株式を取得する予定で、時期や株数については両行で協議して決定するとしています。
愛知県では、3つの地方銀行のうち、愛知銀行と中京銀行が去年12月に経営統合の協議に入ると発表し、残る名古屋銀行の動向が注目されていました。
一方、静岡銀行は預金残高が11兆円余りと地方銀行として有数の規模ですが、おととし山梨県の山梨中央銀行とも提携しています。
新型コロナウイルスの影響や長引く低金利によって地銀の経営環境は厳しさを増していて、両行としては今回の提携により収益力の強化やコスト削減を図るねらいがあります。
将来的な経営統合の可能性について、静岡銀行の柴田頭取は「経営統合は重複する店舗の閉鎖など後ろ向きな業務が多い。今回の提携を通じて経営資源をお互いに活用するほうが早く効果を出せる。現時点で経営統合するような考え方はない」と述べました。
-- NHK NEWS WEB