パク・クネ(朴槿恵)前大統領が罷免された韓国では、大統領選挙に向け、革新系の「共に民主党」の大統領候補者たちがテレビ討論会を開き、支持率トップのムン・ジェイン(文在寅)氏は、パク氏を罷免に追い込んだ世論を味方につけて、重要政策を推し進めたいという考えを示しました。
韓国では、憲法裁判所がパク・クネ前大統領を罷免したことを受けて、5月上旬までに大統領選挙が行われることになり、各政党は候補者選びを加速させています。
このうち、支持率で優位に立つ革新系の最大政党「共に民主党」は、14日、候補者4人によるテレビ討論会を開きました。
この中で、支持率トップのムン・ジェイン前党代表は、政権を取った場合の国政運営について、「平和的な『広場の力』が統合の力だ。われわれが国民の支持を得れば、保守系の政党は抵抗できない」と述べ、大規模集会でパク氏を罷免に追い込んだように世論を味方につけ、革新系政党だけで重要政策を推し進めたいという考えを示しました。
これに対し、支持率2位のアン・ヒジョン(安熙正)チュンチョン(忠清)南道知事は「大統領の最も重要な役割は、国家や国民を統合するリーダーシップだ」と述べ、保守系の政党とも一定の連携をし、世論の分裂を和らげる必要があると主張しました。
一方、アメリカの最新の迎撃ミサイルシステム「THAAD」の韓国配備に中国が反発し、経済面でさまざまな報復措置を取っていることについて、ムン氏は「前政権の失政だ」として配備を批判したのに対し、アン氏は配備に一定の理解を示し、中国の報復措置で被害を受けている企業などへの支援に力を入れるべきだと主張しました。
-- NHK NEWS WEB