韓国の検察は15日、憲法裁判所の決定によって罷免されたパク・クネ(朴槿恵)前大統領に対し、最大の財閥サムスングループから賄賂を受け取った収賄などの疑いで任意の事情聴取を行うため、今月21日に出頭するよう求めたことを明らかにしました。
韓国の検察は、パク・クネ前大統領の長年の知人、チェ・スンシル(崔順実)被告について、最大の財閥サムスングループから、約束分も含めて日本円で43億円余りの賄賂を受け取ったり、みずからが深く関わる2つの財団に資金を拠出するよう、企業に圧力をかけたりしたとして、収賄や職権乱用などの罪で逮捕・起訴しており、いずれも、パク氏が共謀したとみています。
パク氏は、今月10日に憲法裁判所の決定によって大統領を罷免され、在任中に刑事訴追されない特権がなくなったことを受けて、検察は15日、パク氏に対し、任意の事情聴取を行うため、今月21日の午前9時半に出頭するよう求めたことを明らかにしました。
検察によるパク氏への聴取が実現すれば初めてで、韓国の大統領経験者が検察に出頭するのは、ノ・ムヒョン(盧武鉉)元大統領以来8年ぶり、4人目となります。
これに先立ってパク氏の弁護士は「聴取の日程が通知されれば、特別な事情がないかぎり、積極的に応じて捜査に協力する」という立場を明らかにしました。
ただ、パク氏は今月12日、「時間はかかるだろうが、真実は必ず明らかになると信じている」とするコメントを発表し、一連の事件への関与を改めて否定していて、聴取では容疑を否認するものとみられています。
-- NHK NEWS WEB