ロシア最大の政府系ガス会社、ガスプロムが先月、ポーランドとブルガリアへの天然ガスの供給を停止したことを受けて、EU=ヨーロッパ連合のエネルギー相による緊急の会議が開かれ、さらに多くの国でガスの供給が滞る事態に備えて、備蓄などの取り組みをEU全体で進める方針などを確認しました。
ロシア最大の政府系ガス会社ガスプロムは先月27日、天然ガスの代金がロシアの通貨ルーブルで支払われなかったことなどを理由に、ポーランドとブルガリアへの天然ガスの供給を完全に停止したと発表しました。
これを受けて、EUは2日に加盟国のエネルギー相が出席する緊急の会議を開いて今後の対応を協議しました。
会議では、さらに多くの国でガスの供給が滞る事態に備えて、備蓄などの取り組みをEU全体で進めるとともに、緊急の場合に加盟国どうしでガスを融通できるよう、2国間の協定を結ぶ必要性なども確認したということです。
会議のあとの記者会見でEUでエネルギーを担当するシムソン委員は「今回のロシアの決定は、どの加盟国でもガスを止められる事態がありうるという警告だ」と強い警戒感を示しました。
またロシア側の求めに応じてルーブルで支払うことは、EUがロシアに科している制裁に違反するという認識を強調しました。
そのうえでシムソン委員は、ガスの調達先の多様化や再生可能エネルギーの拡大などを進めることで、ロシアにエネルギーを依存する現状から早期に脱却する考えを改めて示しました。
-- NHK NEWS WEB