北海道の知床半島沖で観光船が沈没した事故で、運航会社が保管していたこの船に関する過去の無線交信の記録簿には空欄の箇所が複数あり以前から無線連絡を適切に行っていなかった疑いがあることが関係者への取材で分かりました。海上保安本部もこれまでの捜索でこの記録簿を押収しているとみられ、運航会社の社長から任意で事情を聴くなどしてずさんな運航管理が常態化していなかったか捜査を進めています。
先月23日、知床半島の沖合で乗客・乗員26人を乗せた観光船「KAZU 1」(19トン)が沈没した事故は乗客14人が死亡、今も12人が行方不明になっています。
運航会社「知床遊覧船」が法律に基づいて定めた運航基準では、観光船は航行ルートの決められた地点に到達するたびに通過時刻や天候の状況などを事務所に逐一連絡する必要がありますが、会社の桂田精一社長は乗客の家族に対し事故当日は病院に行くため事務所を離れていたうえ無線の不具合などもあって船と連絡を取り合っていなかったと説明していました。
-- NHK NEWS WEB