アメリカの4月の雇用統計は、農業分野以外の就業者が前の月と比べて42万人あまり増え、雇用環境の着実な改善が示されました。中央銀行にあたるFRB=連邦準備制度理事会は、インフレの抑制に集中し、金融引き締めを加速させる方針です。
アメリカ労働省が6日発表した先月の雇用統計によりますと、農業分野以外の就業者は前の月と比べて42万8000人増加し、40万人程度の増加を見込んでいた市場の予想をやや上回りました。
失業率は前の月と同じ3.6%でした。
アメリカでは新型コロナウイルスの影響が薄れ、経済活動の正常化が進んでいて、「接客・レジャー」や「輸送・倉庫」など、幅広い分野で就業者が増加しました。
さらに、労働者の平均時給は前の年の同じ月と比べて5.5%の増加と高い伸びが続いていて、人手不足に悩む企業が、賃上げを進めていることがうかがえます。
中央銀行にあたるFRBは、記録的なインフレを抑えるため、4日、22年ぶりとなる0.5%の大幅な利上げを決め、今後も大幅利上げを続ける可能性を示しています。
雇用環境の着実な改善を踏まえ、FRBはインフレ対応に専念して金融引き締めを加速させる方針ですが、アメリカでは賃金の上昇を伴う形で物価上昇の勢いが増してきたため、その抑制は簡単ではないとの指摘も出ています。
-- NHK NEWS WEB