9日、投票が行われたフィリピンの大統領選挙で、故マルコス元大統領の長男、フェルディナンド・マルコス氏が、ほかの候補に大差をつけて勝利しました。ただ、マルコス氏はこれまで外交や財政など重要政策について詳細を明確にしておらず、どのような政権運営を行うのか、注目されます。
フィリピンの選挙管理委員会が公認する選挙監視機関の集計によりますと現地時間の10日午後3時すぎの時点で、開票率は97.8%となり、フェルディナンド・マルコス氏が3097万5596票、続いて現職の副大統領レニー・ロブレド氏が1476万4282票となり、マルコス氏が2位以下を大きく引き離して勝利しました。
投票から一夜明け、首都マニラの有権者からはマルコス氏に経済の立て直しを期待する声があがる一方で、かつて父親が敷いたような独裁体制に戻るのではないかと懸念する声も出ています。
マルコス氏は選挙戦でSNSを巧みに使って直接、有権者に訴えて支持を広げましたが、一連の討論会を欠席し、ほかの候補との政策論争や大手メディアの取材を避けてきました。
インフラ整備や麻薬犯罪の取り締まりなど、ドゥテルテ大統領の政策を引き継ぐとしていますが、外交や財政など重要政策について詳細を明確にしておらず、マルコス氏がどのような政権運営を行うのか、その手腕が注目されます。
-- NHK NEWS WEB