北海道の知床半島沖で観光船が沈没した事故で、運航会社が安全管理規程に定めている業務用無線ではなく、アマチュア無線で船と連絡を取っていたとして去年、国から行政指導を受けていたことがわかりました。今回の事故が起きるまでこうした無線の運用を続けていた可能性があり、北海道総合通信局は11日にも会社側に聞き取りを行うことにしています。
先月23日、知床半島の沖合で観光船「KAZU 1」(19トン)が沈没した事故は、乗客14人が死亡、今も12人が行方不明になっています。
現地で事故の対応にあたっている国土交通省の担当者は10日夜、運航会社の「知床遊覧船」が安全管理規程に定めている業務用無線ではなく、アマチュア無線で船と連絡を取っていたとして、去年6月の特別監査のあと、是正するよう行政指導を行っていたことを明らかにしました。
アマチュア無線は緊急時を除いて業務での使用が禁止されていますが、運航会社の関係者はNHKの取材に対し、以前から携帯電話とアマチュア無線を併用していたと話しています。
運航会社は、行政指導のあとも今回の事故が起きるまでアマチュア無線の運用を続けていた可能性があり、北海道総合通信局は実態を把握するため11日にも会社側に聞き取りを行うことにしています。
一方、第1管区海上保安本部も業務上過失致死の疑いで捜査していて、荒天が予想される中での社長らの出航判断や、会社の安全管理体制に問題がなかったかなど調べています。
-- NHK NEWS WEB