三井住友信託銀行は、今年度の賃金についてベースアップを含め平均で4.5%程度の賃上げを実施する方向で最終的な調整を進めていることがわかりました。国内の物価上昇を踏まえたもので、ベアは7年ぶりとなります。
関係者によりますと、三井住友信託銀行は今年度、社員の1人当たりの賃金を平均で4.5%程度引き上げる方向で、労働組合と最終的な調整に入りました。
このうち、基本給の引き上げに相当する、いわゆるベースアップが1.5%程度だということです。
ベアは7年ぶりで、国内の物価上昇を踏まえたものだとしています。
また、新たな報酬制度として社員に銀行の株式を譲渡する制度の導入を検討するほか、デジタル技術の習得への支援や研修の拡充など人材への投資額を前の年度と比べて5倍以上に増やすとしています。
銀行としては、財務以外の情報開示への関心が高まる中、大幅な賃上げや人材投資の拡大により、投資家などへのアピールにつなげるねらいもあります。
ことしの春闘では政府が企業側に3%を超える賃上げを求め、大手銀行では三菱UFJ銀行が賃金の総額を3.5%引き上げることで妥結しています。
4.5%程度の賃上げはこれを上回る水準で、三井住友信託銀行は今月中の妥結を目指し労使交渉を進めるということです。
-- NHK NEWS WEB