ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を受けて、石油元売り大手の出光興産は今後、ロシア産の石油の輸入を見送る方針を示しました。
これは、出光興産の木藤俊一社長が10日の決算会見で明らかにしたものです。
この中で、木藤社長はロシア産の石油について、「過去は輸入してきたがこれから先の輸入は見送る方針を明確にしている」と述べ、ロシアの軍事侵攻を受けて今後、輸入しない方針を示しました。
会社ではこれまで、全体の輸入量の4%程度をロシアから輸入してきました。
しかし、2月下旬にロシアがウクライナに侵攻して以降、新たな調達を行っていないということです。
岸田総理大臣は9日、ロシア産の石油を原則禁輸する方針を表明しています。
さらに、会社では石炭についてもロシアから輸入してきましたが、木藤社長は「需要家にできるだけ理解してもらいながら、代替品について提案している」と述べ、取引先の企業には別の国からの石炭を供給する方向で調整を進めていることを明らかにしました。
一方、出光興産の昨年度、1年間の決算は最終的な利益が前の年度よりおよそ8倍の2794億円余りと急増しました。
ウクライナ情勢の緊迫化で原油価格が高騰し、原油や石油製品の在庫の価値が上昇したことが主な要因です。
-- NHK NEWS WEB