ことしの春闘は１５日、経営側が労働組合に一斉に回答を示す集中回答日を迎えました。自動車や電機などの大手企業の回答は、去年の実績に比べて低い水準にとどまり、賃上げの勢いにかげりも見えます。
自動車や電機などの製造業を中心におよそ２００万人の労働者が加盟する「金属労協」の本部では、１５日午前から大手企業の回答金額が報告されました。
春闘の相場づくりに影響が大きい自動車業界では、ベースアップやそれに相当する賃上げとしていずれも月額３０００円の要求に対して、トヨタ自動車が去年の妥結額を２００円下回る１３００円、日産自動車は去年の半分の１５００円、ホンダは去年を５００円上回る１６００円で回答しました。
また、電機業界では、統一交渉から離脱した東芝とシャープを除いて３０００円のベースアップを要求したのに対して、日立製作所、パナソニック、三菱電機など大手５社が、いずれも去年の実績を５００円下回る１０００円と回答しました。
流通やサービス業では、うどんチェーンの「丸亀製麺」などを展開するトリドールが要求に対して満額となる３５００円余りを回答。スーパーのマルエツは５０００円の要求に対して３２００円の回答でした。
ことしは、４年連続のベースアップとなったものの、円高による業績の悪化やアメリカのトランプ政権の発足などで経済の先行きが不透明になっているとして、去年と比べて低い水準にとどまった企業が多く、賃上げの勢いにかげりも見えます。
一方、賃金の水準だけでなく時代にあった新しい働き方を労使双方が模索する動きも目立ち、今後、交渉が本格化する中小企業への影響も注目されます。
-- NHK NEWS WEB
