フランスのマクロン大統領は2期目にあたって、政権運営のカギを握る首相に環境相や労働相を歴任したエリザベット・ボルヌ氏を任命しました。
フランスでは30年ぶりの女性首相で、来月行われる議会選挙に向けて、環境や雇用を重視する姿勢をアピールするねらいもあるとみられます。
フランスでは、先月の大統領選挙で再選を果たしたマクロン大統領の新たな任期にあわせて、カステックス首相が16日、辞職し、マクロン大統領は新たな首相にエリザベット・ボルヌ氏を任命しました。
ボルヌ氏は61歳。
官僚出身で、マクロン政権の1期目では交通担当相や環境相、労働相を歴任し、慢性的な赤字体質が課題となっていたフランス国鉄の改革を推し進めたほか、新型コロナウイルスの感染拡大では失業対策に取り組み、その手腕には一定の評価があります。
ボルヌ新首相は、首相府でカステックス氏から引き継ぎを受けた後、あいさつし「国際情勢や気候変動、環境問題について私たちはより早く、より強く行動しなければならない」と意気込みを示しました。
フランスで女性の首相は、30年ぶりで史上2人目となり、マクロン大統領としては、来月の議会選挙に向けて、環境や雇用を重視する姿勢をアピールするとともに、2期目の重要課題である年金制度改革を確実に進めたいねらいがあるとみられます。
-- NHK NEWS WEB