北海道の知床半島沖で起きた観光船の沈没事故で、海底に沈んだ船内で捜索に当たる潜水士を乗せた民間の作業船が17日、現場に近い網走港に到着しました。
早ければ19日から潜水士が海底に潜って船に取り残された人がいないか捜索活動に当たることにしています。
先月23日、知床半島の沖合で乗客・乗員26人を乗せた観光船「KAZU 1」(19トン)が沈没した事故は、乗客14人が死亡、今も12人の行方がわかっていません。
水深およそ120メートルの海底に沈んだ観光船に取り残された人がいないか調べるため、海上保安庁から依頼を受けた民間のサルベージ会社は「飽和潜水」と呼ばれる深い海に対応できる方法で捜索を行うことにしています。
その作業に当たる潜水士4人を乗せた作業船「海進」が17日午前9時20分ごろ、タグボートに引かれて沈没現場に近い網走港に到着しました。
今後、作業船では、潜水士たちが深海の高い水圧に対応できるよう加圧タンクに入って体を慣らすなど準備を整え、18日夕方にも現場海域へ向かい、早ければ19日から沈没した船内で捜索を行います。
第1管区海上保安本部によりますと「飽和潜水」による捜索は2日程度かけて行われる予定で、その後は船の引き揚げに向けた調査も進めるということです。
一方、海上保安本部や自衛隊、それに警察は、知床半島周辺の海域や陸側の海岸線などで17日も捜索を続け行方不明者の発見を急ぐことにしています。
-- NHK NEWS WEB