ロシアに拠点を置くグローバル企業の間で撤退の動きが相次いでいることについて、日本自動車工業会の豊田章男会長は、日本のメーカーとしては、顧客や働く従業員などから理解が得られるかという点を考慮しながら慎重に対応を決めていきたいという考えを示しました。
ロシアによるウクライナへの軍事侵攻のあと、フランスの自動車メーカー、ルノーが現地法人の株式を譲渡するなどグローバル企業の間でロシアから撤退する動きが相次いでいて、日本の自動車メーカーは現在、現地での生産を停止しています。
これについて日本自動車工業会の豊田会長は19日、オンラインの会見で「自動車産業は消費者が相手の産業で、多くのステイクホルダー=利害関係者を抱えている産業だ。利害関係者には世界中に5億人以上という車を保有するお客様も含まれている」と述べました。
そのうえで今後のロシアビジネスについて「世界中のステイクホルダーから理解と共感を得るという軸をぶらさずに、状況をよく注視しながら対応を続けていく以外ない」と述べ、顧客や働く従業員などから理解が得られるかという点を考慮しながら、慎重に対応を決めていきたいという考えを示しました。
一方、鉄などの原材料価格が高止まりしていることについて、日本自動車工業会は、今年度加盟社全体では営業損益ベースで、前の年度よりも2兆5000億円利益を押し下げられるという試算を明らかにしました。
-- NHK NEWS WEB