北海道・知床半島沖の観光船の沈没現場では、20日朝から潜水士が海底に沈んだ船内を捜索する2日目の作業が進められています。
先月23日、知床半島の沖合で乗客・乗員26人を乗せた観光船「KAZU 1」(19トン)が沈没した事故は、乗客14人が死亡、今も12人の行方が分かっていません。
民間のサルベージ会社は水深およそ120メートルの海底に沈んだ観光船に取り残された人がいないか確認するため、19日から飽和潜水と呼ばれる深い海の水圧に対応できる方法で潜水士を潜らせて捜索を行っています。現場では20日、2日目の作業が行われ、午前7時45分ごろに潜水士を乗せたカプセルがゆっくりと海中におろされました。
第1管区海上保安本部によりますと、潜水士はすでに海底に到着し飽和潜水を始めていますが、午前10時半現在、行方不明者の発見につながる新たな手がかりは見つかっていないということです。引き続き沈んだ船内で捜索にあたるとともに、船の引き揚げに向けた調査も進めることにしています。
一方、海上保安本部は、北方領土の国後島の西岸で1人の遺体が見つかったと、19日、ロシア側からユジノサハリンスクの日本総領事館に連絡があったことを明らかにしました。性別や年代などは分かっていませんが、乗客の家族にもこの情報を伝えているということです。
国後島では今月6日にも海岸で女性の遺体が見つかったという情報があり、海上保安本部は外務省を通じてロシア側と連絡を取り合い、沈没事故との関連がないか確認を進めることにしています。
-- NHK NEWS WEB