北海道 知床半島沖で観光船が沈没し乗客14人が死亡、12人の行方が分からなくなった事故は、発生から23日で1か月となります。沈没現場では早ければ23日中に船体を水面近くの海中につり上げる作業が行われ、24日にも作業船の上に引き揚げる見通しです。
先月23日、知床半島の沖合で乗客・乗員26人を乗せた観光船「KAZU 1」が沈没した事故は、これまでに周辺の海域で見つかった乗客14人の死亡が確認されました。
発生から1か月となる今も、12人の行方が分からないままで、第1管区海上保安本部や自衛隊などは、知床半島周辺から北方領土の国後島周辺にかけての広い範囲で行方不明者を捜していますが、時間の経過とともに捜索は難航しています。
一方、深さ、およそ120メートルの海底に沈んだ観光船については、23日朝、引き揚げに向けた準備作業が再開されました。
サルベージ会社の作業船「海進」からカプセルで海中におろされた潜水士たちが飽和潜水をして、引き揚げ用のワイヤーをくくりつけるなどの作業にあたっているということです。
早ければ23日中に船体を水面付近の海中までつり上げる作業を行い、海中で宙づりにした状態のまま、水深の浅い海域に移動することにしています。
そのうえで、早ければ24日にも作業船の上に船を引き揚げる方針です。
今回の事故をめぐっては、運航会社の「知床遊覧船」が観光船との定点連絡を怠っていたことや、十分な連絡手段を確保していなかったことなど、ずさんな安全管理の実態が次々と明らかになっていて、海上保安本部は業務上過失致死の疑いで捜査しています。
海上保安本部は、引き続き行方不明者の発見を急ぐとともに、今後、引き揚げられる船体の状況を詳しく確認し、事故の原因や会社側の過失の有無について調べを進めることにしています。
-- NHK NEWS WEB