北海道 知床半島沖で沈没し、24日に作業船で運ばれていた際に、海底に落下した観光船は、負荷を分散するために5本のベルトでつり下げた結果、1本当たりの荷重が軽くなって船体とベルトがこすれたり、バランスを崩したりして落下したとみられることがわかりました。
サルベージ会社は、より太いベルト2本を使って、ベルトに十分な荷重がかかるように船体を固定し、26日に再びつり上げる方針です。
知床半島の沖合で観光船「KAZU 1」が沈没した事故で、水深およそ120メートルの海底からつり上げられた船体が、海中につられた状態のまま作業船で運ばれていましたが、24日に斜里町のウトロ港の沖合で、深さ182メートルの海底に落下しました。
関係者によりますと落下した海底は砂地で、船体は船底を下に、わずかに左に傾いた状態で原形をとどめていたということです。
またサルベージ会社は調査の結果、つり上げで使った合わせて5本のナイロン製のベルトのうち、船尾側の2本が切れるとともに、前方の手すりが外れ落下した可能性が高いと、海上保安庁に報告していることがわかりました。
船体への負荷を分散するために5本のベルトでつり下げた結果、逆に1本当たりの荷重が軽くなって船体とひもがこすれたり、バランスを崩したりしたことが考えられ、切れたベルトの断面には、こすれたような痕があるということです。
このため、サルベージ会社は26日の作業ではベルトを5本から2本に減らし、1本を、より太いものにして強度を増すとともに、1本に十分な荷重がかかるように船体を固定して再びつり上げる方針です。
-- NHK NEWS WEB