フリーランスとして働く女性が、仕事を発注された会社の経営者からセクハラなどを受けたとして慰謝料などを求めた裁判で、東京地方裁判所は「女性が安全に働くために必要な配慮をすべき義務に違反した」として、会社などにおよそ190万円の支払いを命じました。
原告側によりますと、フリーランスへの安全配慮義務を認めた判決は意義があるとしています。
フリーランスのライターとして働く20代の女性は3年前、都内のエステ会社からホームページに掲載するため、サロンを体験して記事を作成する仕事などを受けました。
女性は仕事をしても報酬は支払われないうえ、経営者からセクハラなどを繰り返し受けたとして、慰謝料や報酬など合わせておよそ590万円の支払いを求めていました。
被告の会社側は女性と契約を結んでおらず、セクハラなどはなかったと主張していました。
25日の判決で東京地方裁判所の平城恭子裁判長は、女性と会社の間での業務委託契約やセクハラなどがあったことを認めたうえで「正当な理由なく報酬を支払わないことは、経済的に不利益を課すパワハラ行為にあたる」と述べました。
そのうえで「女性は実質的に、会社の指揮監督のもとで労務を提供する立場にあり、会社は安全に働くために必要な配慮をすべき義務に違反した」として、会社などにおよそ190万円の支払いを命じました。
判決のあと会見した原告の女性は「フリーランスという働き方を選んだ責任だと言われることもありましたが、事実を認めてもらい安心しました」と話していました。
-- NHK NEWS WEB