欧米を中心に「サル痘」の患者が200人以上確認される中、スペイン政府は25日、サル痘にも有効な天然痘のワクチンを購入すると明らかにしました。ドイツやイギリスなどもワクチンの確保を進めていて、感染拡大への警戒を強めています。
ECDC=ヨーロッパ疾病予防管理センターは25日、EU域内で確認されたサル痘の患者はこれまでに12か国で118人に上ると発表しました。
また、イギリスでも患者が増え78人に達したほか、カナダやアメリカ、オーストラリアなどもあわせると世界各国で200人以上の患者が確認されています。
こうした中、51人の患者が確認されているスペインのダリアス保健相は25日、デンマークの製薬企業からサル痘にも有効な天然痘のワクチンを購入すると発表しました。
購入したワクチンの量は明らかにしていませんが、国内すべての州に配布し、接種の準備をすすめるとしています。
このほかドイツ政府は感染の拡大に備え、4万回分の天然痘ワクチンを発注したことを明らかにしたほか、イギリス政府も患者と濃厚接触した人や医療従事者などに接種する態勢を整えています。
また、これまでに3人の患者が確認されているアメリカは、CDC=疾病対策センターが「必要に応じ政府が備蓄しているワクチンを接種する用意がある」としていて、サル痘の感染拡大に各国は警戒を強めています。
-- NHK NEWS WEB