北海道・知床半島沖で観光船が沈没した事故で、海上保安本部は網走港に運ばれた船体を陸揚げする前に改めて船内を捜索するほか、損傷箇所の確認など事故原因の特定に向けた捜査を進めることにしています。
知床半島の沖合で観光船「KAZU 1」(19トン)が沈没し、乗客14人が死亡、12人が行方不明になっている事故では、沈没現場から1度つり上げられた船体が運ばれる途中で海底に落下しましたが、27日、サルベージ会社の作業船に引き揚げられ、およそ45キロ離れた網走港に運ばれました。
船体はシートに覆われ、停泊する作業船の上に置かれていて、今後、港に陸揚げされる予定です。
第1管区海上保安本部によりますと、陸揚げに先立ち、船内から水が抜けた段階で捜査員が船のエンジンルームなどを確認し、取り残された人がいないか、改めて捜索を行うということです。
さらに船体の損傷状況の把握も陸揚げの前に着手し、事故原因の特定を急ぐことにしています。
また悪天候が予想される中、出航を決めた運航会社の社長から任意で事情を聴くなどして、業務上過失致死の疑いで捜査を進めることにしています。
一方、行方不明者の捜索についても、海上保安本部は引き続き現場海域の周辺から北方領土の国後島周辺にかけての広い範囲で行うことにしています。
-- NHK NEWS WEB