日銀の総資産が、昨年度末の時点で736兆円余りとなり、過去最大を更新しました。
大規模な金融緩和策として、長期国債の買い入れや企業の資金繰り支援などを進めたことによるものです。
日銀が発表した昨年度の決算によりますと、ことし3月末時点の総資産は、前の年度から21兆円余り、率にして3%増え、736兆2535億円と過去最大を更新しました。
大規模な金融緩和で資産の買い入れを進める中で、長期国債の保有残高が増えたほか、貸出金が新型コロナの影響を受けた企業の資金繰り支援に伴って大幅に増えました。
日銀は先月、長期金利の上昇を抑えるため、指定した利回りで国債を無制限に買い入れる措置を毎日実施することを決めていて、長期国債の保有残高はさらに膨らむことも予想されます。
日銀は当面、金融緩和を続ける姿勢を鮮明にしていますが、総資産の膨張によって、金融緩和を縮小する、いわゆる「出口戦略」の際に、金融市場に与える影響が大きくなるのではないかという懸念も出ています。
これについて、日銀の黒田総裁は26日の衆議院の予算委員会で「簡単ではないのは認めるが、いろいろな手段を組み合わせて、金融市場の安定を確保しながら適切にやっていくのは十分可能だ」と述べていて、日銀は今後、出口戦略をめぐって難しいかじ取りを求められそうです。
-- NHK NEWS WEB