北海道・知床半島沖で沈没し、27日網走港に運ばれた観光船について、海上保安庁が事故の重大性を踏まえ、業務上過失致死の疑いで船体を押収する手続きをとったことが関係者への取材で分かりました。28日午後にも、運航会社の社長を立ち会わせて現場検証を行うとともに、船体の損傷の状況などを確認することにしています。
知床半島の沖合で観光船「KAZU 1」が沈没した事故で、作業船の上に引き揚げられた船体は、27日網走港に運ばれました。
海上保安庁は船内の水抜きを行ったうえで行方不明者が残されていないか捜索することにしていますが、業務上過失致死の疑いで令状を取り、船体を押収する手続きをとったことが関係者への取材で分かりました。
通常、船の事故の捜査は船体の押収はせずに現場で調べたうえで所有者に返却するなどしていますが、今回は事故の重大性や原因究明に時間がかかることから押収する判断をしたということです。そのうえで、28日午後にも船体が作業船の上にある状態のまま、運航会社の社長を立ち会わせて現場検証を行うということです。
船内に残された計器類や損傷の状況を確認するなどし、陸揚げしたあとは別の場所に船体を移してさらに詳細な調査を行うことにしています。
-- NHK NEWS WEB