新型コロナの影響で経営が悪化し、国の制度を使って再建を進めている自動車部品大手のマレリホールディングスは、31日、債権者に対して再生計画案を示しました。取り引き先の金融機関に4000億円を超える巨額の債権放棄を求める内容で、今後は金融機関側の対応が焦点となります。
前身の会社がカルソニック・カンセイだった、さいたま市の大手自動車部品メーカー、マレリは、新型コロナの感染拡大で一時、自動車需要が落ち込んだ影響などで経営が悪化したため、事業を続けながら再建を目指す「事業再生ADR」と呼ばれる制度の利用をことし3月に申請しています。
会社は31日、債権者集会を開き、この制度にもとづいて再生計画案を示しました。
関係者によりますと、計画案では1兆円を超える負債総額のうち、4000億円余りは取り引き先の金融機関に債権放棄を求めています。
また、親会社となっているアメリカの投資ファンドを割り当て先として新たに株式を発行し、830億円を調達するとしています。
一方、国内外で3000人規模の人員削減などを行って固定費を減らす計画です。
マレリは「債権者と連携しながら、事業再生ADRの成立に全力で取り組んで参りたい」とコメントしています。
事業再生ADRでは、すべての金融機関の同意を得なければ再生計画を進められないルールで、今後は巨額の債権放棄を求められた金融機関側の対応が焦点となります。
-- NHK NEWS WEB