東京の国立国際医療研究センターの係長が物品の契約で業者に便宜を図った見返りにおよそ380万円分の賄賂を受け取ったとして逮捕された事件で、係長が漏らした情報をもとに業者が契約したとみられる額は合わせて4000万円以上に上ることが捜査関係者への取材で分かりました。
東京 新宿区にある国立国際医療研究センターの総務課の係長、笠井崇一郎容疑者(39)は、パソコンや机などの物品の契約で便宜を図った見返りに、贈賄の疑いで逮捕された電器製品販売会社「小松電器」の社長、松丸隆行容疑者(43)から現金や旅行の接待など合わせておよそ380万円分の賄賂を受け取ったとして、収賄の疑いで逮捕されました。
係長は随意契約で複数の業者から見積もりをとる際に他社の見積書の価格を漏らしたり、一般競争入札で予定価格に関する情報を事前に漏らしたりしていた疑いがあるということです。
こうした情報をもとに小松電器が契約したとみられる額は、去年2月までの1年半余りの間に合わせて4000万円以上に上ることが捜査関係者への取材で分かりました。
係長は国立国際医療研究センターや系列の病院などの契約事務を統括する立場だったということです。
警視庁はこうした権限を悪用し、社長の会社が確実に契約できるよう便宜を図っていたとみて、詳しいいきさつを調べています。
2人の認否については明らかにしていません。
-- NHK NEWS WEB