川崎市のコンクリートメーカーが、JIS=日本産業規格の基準を満たさない製品を別のコンクリートに混ぜて出荷し、川崎市や都内など7つの自治体のおよそ70の建物で使われた疑いがあることが国などの調査で分かりました。建築基準法を満たしていない建物がある可能性もあり、国や自治体が安全性に問題がないかなど調べを進めています。
国土交通省などによりますと、法律の基準を満たしていないおそれがあるのは川崎市のメーカー「小島建材店」が製造したコンクリートを使用した神奈川県や東京都内の建物です。
固まる前のコンクリートは「生コンクリート」と呼ばれ、建築基準法では原則、製造から1時間半以内に現場に届けることとする、JIS=日本産業規格の基準に適合させるよう定められています。
しかし、この業者は建築現場で余った古い製品を新しい製品に混ぜ込む不適切な出荷を繰り返していたとして、ことし2月、JIS認証を取り消されていました。
その後、国土交通省などが実態を調べたところ、川崎市や横浜市、東京 府中市や世田谷区など7つの市と区にあるおよそ70の建物でコンクリートが使われた疑いがあることが分かりました。
このうち川崎市には最も多いおよそ50棟があり、ほとんどが戸建ての住宅だということです。
調査の対象となっている建物の中には、期限が過ぎても住民に引き渡しが出来なくなっているものもあるということです。
国や自治体はコンクリートが使われた経緯や、建物の強度が不足していないかなど調べを進めています。
小島建材店は、NHKの取材に対し「関係者に多大な迷惑をかけてしまい、おわび申し上げる。現在、事実確認を含め対応しているところです」とコメントしています。
-- NHK NEWS WEB