新型コロナウイルスに感染した人の重症化予防に加え、事前に投与することで発症を防ぐ効果が期待される注射薬について、イギリスの製薬大手、アストラゼネカが国に承認を求める申請を行ったと発表しました。
アストラゼネカは9日、新型コロナウイルスの働きを抑える抗体を投与する「抗体医薬」について、厚生労働省に承認を申請したと発表しました。
この薬は2種類の抗体を注射で投与することで、感染した人の重症化を防ぐとともに、感染前に投与することで発症を防ぐ効果が期待されるとしています。
承認されれば、がんの治療で免疫の働きが低下し、ワクチンの効果が十分に得られない人などの発症予防のために使えるとしています。
会社によりますと、去年3月まで行われた感染していないおよそ5200人を対象にした治験では、発症リスクが77%抑えられ、効果が半年間続いたとしているほか、去年7月まで行われた軽症から中等症の900人余りを対象にした治験では、発症から7日以内の投与で重症化や死亡のリスクを50%減らす効果が確認されたということです。
オミクロン株でも効果が見られたとしていて、欧米各国では感染前に使用できる薬として承認されています。
会社では今回、特例承認を希望するとしていて「薬を必要とする方々に一日も早くお届けできるよう、規制当局と緊密に連携し取り組んでまいります」としています。
-- NHK NEWS WEB