4年前、愛媛県松山市を拠点としていたアイドルグループのメンバーだった16歳の少女が自殺したことについて、過重労働や進学への不当な干渉などが原因だったとして遺族が所属会社などに賠償を求めていた裁判で、東京地方裁判所は遺族の訴えを退けました。
松山市を拠点に活動していたアイドルグループ「愛の葉Girls」のメンバーの、16歳の少女が平成30年に自殺したことについて、遺族はグループの活動が過重労働だったことや所属会社「Hプロジェクト」が高校への進学資金の貸し付けを撤回したことなどが原因だったとして会社や社長などに賠償を求めていました。
9日の判決で東京地方裁判所の島崎邦彦裁判長は「活動時間や内容は精神的負荷を受けるほど過重であったとは認められない。進学費用の貸し付けを留保したのは、母親の了承を得たうえで生活態度を改める趣旨で行った指導だ」などと指摘しました。
そのうえで「自殺の直接的な原因を明らかにすることは困難であり、所属会社の対応で死に至ったとは言えない」として、遺族側の請求を退けました。
判決について遺族は「主張が認められず、大変残念です。今後弁護団の先生方と相談し、控訴したいと考えています」とコメントしています。
一方、所属会社の社長は「会社が真摯（しんし）に向き合っていたことを裁判所に認めていただいた結果であると考えております。この訴訟によって多くの方々が地道に築き上げた信用や名誉は激しく毀損されました」とコメントしています。
-- NHK NEWS WEB
