日銀が発表した、企業の間で取り引きされるモノの価格を示す企業物価指数の先月の速報値は、4月とならんで過去最高となりました。ロシアによる軍事侵攻で、原材料価格の高騰が続き、企業の間で原材料費の上昇を価格に転嫁する動きが広がっています。
日銀が発表した企業物価指数の先月の速報値は2020年の平均を100とした水準で112.8となり、4月とならんで過去最高となりました。
前の年の同じ月と比べた上昇率は9.1%で、高い水準が続いています。
これは、ロシアによるウクライナ侵攻に伴う原油価格の上昇で、石油製品などが値上がりしたほか、木材や鉄鋼などの価格が上昇したことが主な要因です。
値上がりした品目は全体の8割を超えていて、企業どうしの取り引きで原材料費の上昇を価格に転嫁する動きが広がっています。
また、輸入物価の上昇率は、ドルなどで決済されたものもすべて円に換算した場合、前の年の同じ月と比べて43.3%と、大幅な上昇となり、急速に進んだ円安も指数を押し上げた形です。
日銀は「ウクライナ情勢を受けた資源価格の高騰が続いており、企業の価格転嫁の動きや国内の需要に与える影響を注意深く見ていきたい」と話しています。
-- NHK NEWS WEB