フランスではこの週末に議会選挙の投票が行われます。
ウクライナ情勢の影響で拍車がかかる物価の高騰に市民の不満が募る中、与党が議会で過半数割れする可能性も指摘されていて、マクロン大統領は危機感を強め、支持を呼びかけています。
フランスでは、ことし4月の大統領選挙に続き、今月12日に議会下院にあたる国民議会選挙の投票が行われ、577の議席をめぐり激しい選挙戦が繰り広げられています。
ウクライナ情勢の影響で物価の高騰に拍車がかかる中、大統領選挙でマクロン大統領と争ったルペン氏が率いる極右政党や急進左派の政党を中心とした左派連合が物価対策を打ち出して支持を伸ばしています。
マクロン大統領は9日、フランス南部で演説を行い、野党側の政策について「極端な人たちの政策は危機に危機を重ねるものだ」と強く批判したうえで「私の政策を実現するには議会で強力で明らかな多数派が必要だ」と訴え、与党への支持を呼びかけました。
物価高騰を受け、マクロン政権は低所得者層の食費の支援や年金の給付額の引き上げなどを相次いで打ち出していますが、最新の世論調査では議席の60%を占める与党が過半数割れする可能性も指摘されていて、マクロン大統領は危機感を強めているものとみられます。
議会選挙では、1回目の投票で過半数を得る候補がいない選挙区で、1週間後に上位の候補による決選投票が行われます。
-- NHK NEWS WEB