子宮頸がんなどを防ぐためのHPVワクチンについて、厚生労働省は、定期接種となっている2種類のワクチンを、ことし1月から4月にかけて接種した人で、副反応の疑いがある症例が15件確認されたと、10日に開いた専門家部会で報告しました。
HPVワクチンは、2013年に定期接種になったあと、体の痛みなどを訴える人が相次いで、接種の積極的な呼びかけが中止され、ことし4月、およそ9年ぶりに呼びかけが再開されました。
厚生労働省は10日、専門家部会を開き、医療機関や製薬企業から報告を受けた副反応の疑いがある症例について説明しました。
定期接種で使われているHPVワクチンは2種類ありますが、このうち「サーバリックス」は、ことし1月から4月までに推計で、およそ3000回の接種が行われ、副反応の報告はなかったとしています。
また、「ガーダシル」というワクチンは、推計でおよそ23万5000回の接種が行われ、副反応が疑われる症例は15件で、このうち7件は、入院が必要だったり症状が重いと医師が判断したりしたケースだったということです。
このほか、定期接種では使われていませんが、「シルガード9」と呼ばれる新しいワクチンは、推計でおよそ2万7000回の接種が任意で行われ、副反応が疑われる症例は3件、このうち症状が重いとされたのは2件だったとしています。
専門家部会は、現時点でワクチンの安全性に重大な懸念はないとする見解をまとめました。
厚生労働省は今後も、およそ1か月ごとに部会を開いて検証することにしています。
-- NHK NEWS WEB