ネット通販の急増で人手不足が深刻化している「ヤマト運輸」は、ことしの春闘で労働環境の改善を図るため、正午から午後2時までは時間帯指定の配達をやめることなどで労使が合意しました。春闘の妥結を受け今後、会社は、宅配事業の採算性の改善をめざし27年ぶりとなる全面的な値上げに向けた検討を本格化させます。
宅配最大手の「ヤマト運輸」はネット通販の急増でドライバーの長時間労働や人手不足が深刻化しているとして、ことしの春闘で、処遇の改善に加え働き方の見直しなどで16日夜に労使が合意しました。
このうち宅配サービスについては、正午から午後2時までは時間帯指定の配達をことし6月にやめるほか、午後8時まで行っている再配達の受け付けを来月24日から午後7時に早めることなどを決めました。
春闘の妥結を受け、「ヤマト運輸」は、今後、宅配事業の採算性の改善をめざし27年ぶりとなる全面的な値上げに向けた検討を本格化させます。すでに、ネット通販会社など大口の顧客に対し値上げを交渉していますが、今後、個人が利用する小口の荷物についても値上げを検討し、ことし9月にも料金体系を見直す方向です。
このほか「ヤマト運輸」ではドライバーなどに対し残業代が未払いになっているおそれが発覚しており、グループ全体でおよそ7万6000人の社員を対象にした調査を進め、未払い分の支給を急ぐことにしています。
-- NHK NEWS WEB