大阪地検特捜部が捜査した横領事件で逮捕・起訴され、刑事裁判で無罪が確定した不動産会社の前社長が、違法な捜査によって長期間勾留され社長の辞任を余儀なくされたなどとして、国に賠償を求めている民事裁判が始まり、国は争う姿勢を示しました。
大阪の不動産会社「プレサンスコーポレーション」の社長だった山岸忍さん(59)は3年前、学校法人の土地取引をめぐる21億円の横領事件に関わったとして大阪地検特捜部に逮捕・起訴されましたが、刑事裁判で無罪が確定しました。
山岸さんは、2人の検事が関係者の取り調べで特捜部の描いたストーリーに沿う供述を引き出すために脅すなどの違法な捜査を行ったことで、およそ8か月間勾留され社長の辞任を余儀なくされたなどと訴えて、ことし3月、国に7億円余りの賠償を求める民事裁判を起こしました。
13日から大阪地方裁判所で審理が始まり、山岸さんは「えん罪によって多くのものを失ったが、検察からは謝罪もなく、再発防止策も講じられていないと思う。検察が過った原因とどれだけの損害が生じたのかを検証してほしい」と述べました。
そのうえで、捜査の違法性を明らかにするために、取り調べの録音・録画を確認する必要があるとして、映像を提出するよう国に求めました。
一方、国は訴えを退けるよう求めました。
-- NHK NEWS WEB