大手旅行会社のエイチ・アイ・エスは、新型コロナの影響で主力の海外旅行事業の回復が遅れたことなどから、ことし4月までの半年間の決算が、この時期としては過去最大の260億円余りの最終赤字に陥りました。
エイチ・アイ・エスが13日発表した去年11月からことし4月までの半年間のグループ全体の決算によりますと、最終的な損益は269億円の赤字となりました。
赤字額は、前の年の同じ時期を30億円余り上回り、この時期としては過去最大の最終赤字に陥りました。
これは、新型コロナのオミクロン株の世界的な感染拡大による水際対策で、主力の海外旅行事業の回復が遅れたことに加え、このところ規模を拡大させてきた電力の小売り事業で、ウクライナ情勢の影響から天然ガスの価格が高騰し、電力の調達コストがかさんで採算が大きく悪化したことなどが要因です。
また、ことし10月までの1年間の業績予想は、今後の水際対策の動向が不透明なうえ、旅行代金の増加につながる円安の進行で、海外旅行の需要の回復が見通せないとして、「未定」としています。
エイチ・アイ・エスの矢田素史社長は13日の決算説明会で、「海外に多くの拠点を持つ強みを生かし、海外進出を目指す日本企業への支援など旅行以外の事業にも力を入れていきたい」と述べました。
-- NHK NEWS WEB