教科書会社大手の「東京書籍」が、商品の改善への意見を聞くため現職教員などに報酬を支払っていたことについて、文部科学省はルールを逸脱してはいないものの、公正性を欠くと疑われかねないとして口頭で指導しました。
東京書籍によりますと、商品の企画やサービス改善への意見を聞こうと、5年前から去年11月まで現職教員延べ22人を含む専門家に、アドバイザーとして年15万円の報酬を支払っていました。
教科書会社で作る「教科書協会」は、自主的なルールで、教員など教科書の採択関係者への対価の支払いを禁じていますが、東京書籍では教員に「兼業届」を提出させることで、採択に関わることはなくなると解釈していたということです。
これについて、文部科学省は「『兼業届』を出せば関係者から外れるというのは誤った解釈で、公正性を欠くと疑われかねない」として、口頭で指導したということです。
一方、今回のケースは、会社の調査委員会が公正な取り引きに関する法令違反や不当な利益供与は確認されなかったとしているとして、ルールを逸脱してはいないとしています。
東京書籍は「教育現場からの情報収集活動は重要だが、対価を支払うことは一切取りやめます」とコメントしています。
-- NHK NEWS WEB