ウクライナでは、ロシアによる軍事侵攻から4か月近くがたって戦闘が長期化する中、市民で編成される領土防衛部隊に志願する人が今も後を絶たず、戦闘の訓練などが各地で行われています。
このうち、一時、ロシア軍に占拠され、多くの住民の遺体が見つかった首都キーウ近郊のブチャに近い森林地帯では、17日、キーウ州の領土防衛部隊に加わったおよそ30人の新たな隊員の戦闘訓練の様子が報道陣に公開されました。
訓練は、実際にロシア軍が掘ったざんごうの跡を利用して行われ、迷彩服姿の隊員たちは銃を構えながら林の中を前進し、敵を発見して制圧する訓練を繰り返していました。
隊員たちは、この2か月の間に志願して入隊したキーウ州の地元の人たちで、中には年配の男性の姿も見られ、教官の指導を受けながら、敵に気付かれないように合図をとりあったり、敵を包囲したりする手順を確認していました。
訓練に参加した37歳の元会社員のオレクサンドルさんは「住まいを離れずに、ふるさとや家族を守るため入隊を志願した。妻は心配していてよく思っていないが、父は応援してくれている」と話していました。
領土防衛部隊に志願する人は後を絶たないということで、訓練の指導教官のジュバ元大佐は「健康上の問題などで、すべての人たちが軍に入隊できるわけではないため、自分にできることをしようと志願してくる人も多い。こうした動きは今も続いている」と話していました。
-- NHK NEWS WEB