太平洋戦争中の「徴用」をめぐる問題について、韓国政府が、近く発足させる官民合同の協議体で打開策を話し合う方向で調整を進めていることが分かり、韓国メディアは、冷え込んだ日韓関係の改善につながるのか注目されると伝えています。
これは、韓国政府などの複数の関係者が20日、NHKの取材に対し明らかにしました。
それによりますと、太平洋戦争中の「徴用」をめぐる問題について、韓国政府は、近く発足させる、政府関係者や専門家で構成する官民合同の協議体で、具体的な打開策を話し合う方向で調整を進めているということです。
韓国政府の関係者は、「徴用」をめぐる問題への対応が、日本との関係改善に向けた「優先課題の1つだ」としています。
また、20日付けの韓国の「ソウル新聞」は、この協議体が今月中にも発足する見通しだと報じました。
これに関連して韓国外務省は、具体的な言及を避ける一方で「両国の利益に合致する合理的な解決策を模索するための努力をしている」と説明しています。
「徴用」をめぐる問題について、日本政府は、1965年の日韓請求権協定に基づき解決済みで、日本企業に賠償を命じた判決と、関連する司法手続きは国際法違反だとして、韓国政府に違反状態の是正を求めています。
こうした中、韓国では、この問題で賠償を命じられた日本企業の資産を売却する「現金化」に向けた司法手続きが進んでいて、韓国メディアは、ユン・ソンニョル(尹錫悦)政権が発足させる協議体での話し合いが、冷え込んだ日韓関係の改善につながるのか注目されると伝えています。
-- NHK NEWS WEB