ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアは、完全掌握をねらうルハンシク州など東部を中心に攻撃を続けています。こうした中、ロシア側は、8年前に一方的に併合した南部のクリミアで、ウクライナ軍から攻撃を受けたと主張し、今後、報復として一層攻勢を強めることが懸念されます。
ロシア国防省は20日、東部ルハンシク州とドネツク州でウクライナ軍の部隊や兵器などを攻撃したほか、南部オデーサ州では飛行場をミサイルで攻撃し、無人機を破壊したなどと発表しました。
ロシアが完全掌握を目指して攻撃を続けるルハンシク州セベロドネツクの状況について、ハイダイ知事は20日、SNSに投稿し、ロシア軍の攻撃により、ウクライナ軍が支配下に置いているのは「アゾト化学工場」がある区域に限られているとして、厳しい状況を伝えています。
またウクライナ軍の参謀本部は20日、東部ハルキウ州でも砲撃の回数が増えていると指摘しています。
州都ハルキウの南東の町に住む60歳の男性は19日、NHKの電話インタビューに応じ、町はロシア軍に支配され、周辺では戦闘が続いていると話しています。
人々はロシアの監視下に置かれ、移動も制限されていることから、避難することができないと訴えています。
こうした中、ロシアが8年前に一方的に併合したウクライナ南部クリミアの親ロシア派勢力は20日、黒海の沖合にある石油ガス会社の採掘施設がウクライナ軍の攻撃を受けたと主張しました。
この攻撃で3人がけがをしたほか、7人の行方がわからなくなっているとしています。
これについてウクライナ側から反応は出ていませんが、ロシア側は爆発の危険もあったなどと反発していて、今後、報復として一層攻勢を強める可能性も懸念されます。
-- NHK NEWS WEB