破産手続き中に博物館に預けていた鎌倉時代の絵画など、およそ8億円の価値がある国の重要文化財を、破産管財人に隠した罪に問われている不動産会社の元社長の初公判が開かれ、元社長は無罪を主張しました。
名古屋市の不動産会社「不二企業」の元社長、馬場厚子被告(68)は、6年前に破産手続きが始まったあと、京都国立博物館に預けていた鎌倉時代の絵画など、合わせて7億9600万円の価値がある国の重要文化財7点を破産管財人に隠したなどとして、破産法違反の罪に問われています。
17日、東京地方裁判所で開かれた初公判で、馬場元社長は「重要文化財が自分の所有になっていたことはわからなかったし、管財人に隠したこともありません」などと述べ無罪を主張しました。
これに対し、検察は冒頭陳述で、「被告は非常に価値が高い重要文化財を含む378点の骨とう品を父親から相続し、評価額などが書かれた一覧表を所持していたが、その存在を管財人に隠していた」と指摘しました。
そのうえで、「博物館に預けていた重要文化財の存在を知られれば、債権者のために売却されてしまうと考え、博物館からの郵便物の宛先を夫に変更したり、管財人にうその説明をするなどしていた」と述べました。
-- NHK NEWS WEB