ドイツ政府は、ロシアからの天然ガスの供給が大幅に減り、需要が増える冬場に十分な量を確保できないおそれがあるとして、ガスの供給の緊急事態に備える警戒レベルを1段階引き上げると宣言し、国民や企業に節約へのいっそうの協力などを呼びかけています。
ドイツでは、ロシア最大の政府系ガス会社ガスプロムが先週、ドイツ向けの主要なパイプライン「ノルドストリーム」を通じて供給する天然ガスの量を大幅に減らすと発表したあと、ロシアからのガスの供給量がおよそ60%減少し、警戒感が高まっています。
ドイツ政府は23日、こうした状況が続けば暖房需要などが高まる冬に向け十分な量を確保できないおそれがあるとして、ガスの供給の緊急事態に備える警戒レベルを、3段階のうち上から2番目に引き上げると宣言しました。
政府はことし3月、調達の先行きが不透明になっていて供給状況を監視する必要があるとして、上から3番目のレベルを宣言していました。
レベルの引き上げに伴い、政府は国民や企業にガスのいっそうの節約を求めているほか、発電に使うガスを減らすため、待機状態の石炭火力発電所に稼働の準備を呼びかけるなどしています。
エネルギー政策を担当するハーベック経済・気候保護相は会見で「ロシアはエネルギーを武器にドイツを攻撃している」と強く非難するとともに、今回の措置への理解を求めました。
-- NHK NEWS WEB