政府は日本企業の競争力を高めるために「人への投資」の開示を求める方針です。従業員が仕事に満足しているかや、スキル向上の研修を行っているかなど、企業が人に投資することで反映される項目を、来月にも指針として正式にまとめることにしています。
「人への投資」は、従業員をコストではなく、企業価値を高める投資対象ととらえる考え方です。
海外では、従業員の育成や働きやすい環境づくりに費用をかけているかどうかを、投資家が企業の成長力とみて投資する傾向が強まっています。
こうした流れを受けて、政府は日本企業の競争力を高めようと「人への投資」の開示を企業に求める方針です。
来月にも指針として、正式にまとめることにしています。
具体的には、
▽スキル向上の研修内容、
▽研修にかけた時間や費用、
▽従業員の仕事や会社に対する満足度、
それに、
▽男女間の給与格差や、
▽離職率など、
幅広い項目をあげています。
また、開示にあたっては、経営戦略との関連性を分かりやすく示すことで、投資家の理解が得られやすくなるとしています。
さらに、一部の項目については、金融庁が上場企業に対して有価証券報告書に記載することを義務づける方針も示しています。
売り上げや利益といった財務指標だけでなく、従業員への投資の度合いが今後、企業を評価するうえで重要性を増すことになりそうです。
-- NHK NEWS WEB