欧米を中心に感染が拡大している「サル痘」が国内で確認された場合に備えて、厚生労働省は症状が似た天然痘の治療薬を研究目的として投与できる仕組みを新たに作りました。
アメリカCDC=疾病対策センターのまとめによりますと、サル痘は今月27日までに世界の48の国と地域で4300人余りの患者が確認されています。
このため国内で確認された場合に備えて厚生労働省は、アメリカの製薬会社が天然痘の治療薬として開発した飲み薬「テコビリマット」をサル痘の患者に投与できる仕組みを新たに作りました。
この薬はEU=ヨーロッパ連合ではサル痘の薬として承認されていますが、国内では承認されていないため、薬の有効性や安全性を調べる「特定臨床研究」として例外的に認めるということです。
投与の対象は、体重が13キロ以上で東京・新宿区の国立国際医療研究センター病院に14日間入院して服用を続けられることなどが条件です。
厚生労働省はほかにもサル痘の患者が見つかった場合に備えて、天然痘ワクチンの準備や検査体制の整備などを進めています。
-- NHK NEWS WEB