関西電力の森望 新社長は、28日、大阪市内で開いた就任会見で、この夏については、数値目標を設けずに企業や家庭に節電への協力を呼びかけました。経済活動の再開に伴う電力需要の高まりや、原発の再稼働の遅れなどによる需給のひっ迫を踏まえたもので、節電要請は2015年以来、7年ぶりです。
関西を含むエリアでのこの夏の電力需給について、猛暑を想定したピーク時の電力需要に対する供給の余力とされる「予備率」は、当初、7月は3.8%となっていて、安定供給に必要とされる3%を上回っていました。
ただ、経済活動の再開に伴う需要の高まりに加えて、定期検査中の大飯原子力発電所4号機の運転再開が遅れることになったことなどから、予備率は3%程度に低下する見通しとなっています。
ほかのエリアから電力の融通を受けない場合、関西エリアだけでみると、来月の予備率はマイナス3.9%になると想定しています。
こうした状況を踏まえ、森 新社長は、28日夕方に開いた就任会見で「安定供給に最低限必要な予備率は上回るが、想定を超える電力需要の増加や燃料の調達リスクを踏まえると、予断を許さない状況だ」と述べ、2015年以来、7年ぶりとなる節電要請を行う考えを示しました。
そのうえで森社長は「心苦しい思いだが、無理のない範囲で節電をお願いしたい」と述べ、企業や家庭に可能な範囲での節電を呼びかけました。
-- NHK NEWS WEB