製紙大手の大王製紙は、29日に開かれた株主総会の直前に、佐光正義会長を取締役として再任する議案を撤回しました。
佐光氏は代表取締役会長を退き、29日付けで名誉顧問に就任しました。
大王製紙は29日、愛媛県四国中央市で株主総会を開き、会長や社長を含む12人の取締役の選任を決議する予定でした。
しかし、会社によりますと、28日までに株主が議案への賛否を示す議決権の行使の状況から、佐光会長の選任に過半数の支持を得られないおそれがあることが分かったということです。
これを受けて、佐光会長が、「株主からの十分な信任を得られていない」として退任を申し出たため、会社側は、29日の総会の直前に会長の取締役への再任を求める議案を撤回しました。
会社側が、株主総会の直前に現職の会長の取締役再任の提案を撤回するのは異例です。
佐光氏は代表取締役会長を退き、29日付けで名誉顧問に就任しました。
一方、このほかの11人の取締役の選任については可決されました。
大王製紙は、「ギリギリまで悩んだ末に議案の一部撤回を判断した。引き続き、企業価値の向上に努めたい」とコメントしています。
-- NHK NEWS WEB