東京の医療ベンチャー企業による新型コロナウイルスの治療薬の開発事業をめぐって、公開前の内部情報をもとに株を買い付けるインサイダー取引を行った罪に問われた建設会社の社長に、東京地方裁判所は「利欲的な犯行で、多額の利益を得た」として、執行猶予のついた懲役1年6か月の有罪判決を言い渡しました。
横浜市の建設会社「内田建設」と、社長の久保田俊明被告(54)はおととし、東京 新宿区の医療ベンチャー企業「テラ」など2社が新型コロナウイルスの治療薬の開発事業に乗り出し、メキシコで臨床試験を行うという公表前の内部情報をもとにおよそ1700万円分の株を買い付けるインサイダー取引を行ったとして金融商品取引法違反の罪に問われました。
4日の判決で、東京地方裁判所の内山裕史裁判官は「利欲的な犯行で、株式を売却して得た金額もおよそ880万円と多額であり、金融商品市場の公平性や健全性に与えた影響も軽視できない」と指摘しました。
一方、「起訴された内容を認め、今後、会社の役員を辞任するとしている」などとして、社長に懲役1年6か月、執行猶予3年罰金100万円を言い渡しました。
また、法人としての内田建設に罰金100万円、社長と会社に合わせておよそ2500万円の追徴金を言い渡しました。
-- NHK NEWS WEB