ロシアのプーチン大統領の側近から、日本をけん制する発言が相次ぎ、日本が欧米と歩調をあわせてロシアに制裁を科していることに反発し、揺さぶりをかける狙いがあるとみられます。
ロシアの前の大統領で、現在は安全保障会議の副議長を務めるメドベージェフ氏は5日、SNSに投稿し、岸田総理大臣が「ロシア産の石油価格の上限を現在の半分に設定しようとしている」と指摘し「そうなると市場に出回る石油が減り、価格は上がるだろう」と反発しました。
そして「日本はロシアから石油もガスも得られなくなる。サハリン2にも参加できなくなるだろう」と日本をけん制しました。
「サハリン2」は日本の大手商社も出資し、ロシア極東で進められている石油・天然ガス開発プロジェクトで、ロシアのプーチン大統領は先月30日、「サハリン2」の事業主体をロシア企業に変更するよう命じる大統領令に署名し、日本側が運営に関われなくなる可能性も指摘されています。
またプーチン大統領の最側近の1人、パトルシェフ安全保障会議書記は5日の会合で、北方領土を含む地域について「日本が報復的な志向を強めている」と一方的に主張し、日本を非難しました。
日本が欧米と歩調をあわせて制裁を科していることにロシアは反発を強めており、プーチン大統領の側近たちから強硬な発言が相次ぐ背景には、日本に揺さぶりをかける狙いがあるとみられます。
-- NHK NEWS WEB