熊本市のワクチンメーカー、KMバイオロジクスは開発中の新型コロナウイルスのワクチンについて、臨床試験の結果の速報値を公表し、十分な有効性が期待できるなどとして、ことし9月に国に承認申請を行うと発表しました。
KMバイオロジクスが開発している新型コロナのワクチンは国内で実用化されているものとは異なり、ウイルスの毒性をなくした「不活化ワクチン」というタイプです。
去年10月からおよそ2000人を対象に行ってきた臨床試験の結果の速報値が6日、発表されました。
それによりますと、このうち有効性の分析の対象となった18歳から40歳までのおよそ120人について、3回の接種後にウイルスの働きを抑える「中和抗体」の値が、目標としていた数値以上に上昇するなど、十分な有効性が期待できるとしています。
また安全性については、発熱やけん怠感などの副反応が日常生活に影響が出るレベルで報告されたのは0.1%で、インフルエンザワクチンと同じ程度の安全性が確認できたとしています。
この結果を受け、会社ではことし9月に国への承認申請を行い、年度内の供給開始を目指すということです。
KMバイオロジクスの永里敏秋社長は「これまでとは違うタイプのワクチンの実用化により若い世代の接種率を向上させ、感染を抑制して社会生活の正常化に貢献したい」と話しています。
-- NHK NEWS WEB